多摩ニュータウン植物記Part6&7

元サラリーマンの植物ウォッチング第6&7弾

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤマコウバシ・3~内裏池

小山内裏公園"内裏池”付近に生育している「ヤマコウバシ(山香ばし)」。クスノキ科クロモジ属の落葉低木で中国原産。原産地では雌雄の株が存在するが日本には雄株が無いとされ雌株だけで結実する。 2021年に大阪市立大学院理学研究科名波准教授らの研究グル…

ヌルデ・8~黄葉

南大沢5丁目の林縁に生えている「ヌルデ(白膠木)」の幼木。ヌルデはウルシ科ヌルデ属の落葉小高木で明るい山野で普通に見られる先駆植物。周りの樹が大きく育つと枯れてしまう。ヌルデは秋に綺麗に色付くので"ぬるでもみじ”という言葉があり、俳句の世界で…

コナラ・8~神子沢公園

神子沢公園付近の遊歩道で鮮やかに紅葉している「コナラ(小楢)」。ブナ科コナラ属の落葉高木で武蔵野の雑木林を代表する雑木のひとつ。"ドングリの木”としても馴染み深くこの時期に公園を散歩している幼稚園児達がこのドングリ拾いを楽しんでいる。近年、…

クヌギ・8~黄葉

東京都立大学キャンパスに生えている「クヌギ(櫟・椚・橡・櫪)」。ブナ科コナラ属の落葉高木で多摩丘陵ではコナラと共に多く見られる。当地ではクヌギは写真のように黄色くなり紅葉は見たことが無い。この後、この葉は褐色になり冬の間もヤマコウバシと同じよ…

アカシデ・4~松木日向緑地1

松木日向緑地で綺麗な紅葉を見せている「アカシデ(赤四手・赤垂・赤幣)」。カバノキ科クマシデ属の落葉高木で北海道南部~九州の低山の雑木林に自生している。当地ではイヌシデと共に良く見られる雑木で春の開花や秋の紅葉が楽しめる。

ハナノキ・12~高木

将棋の竜王戦七番勝負は藤井八冠が4連勝でタイトル防衛を果たし第5局以降は行われなかった。そのため第5局が予定されていた香川県琴平町では藤井竜王の祝賀会を開催し、竜王は"ことでん(高松琴平電気鉄道)”に乗り込み運転操作や車掌体験を楽しまれた。 竜…

ヒロハホウキギク・2~草姿

小山内裏トンネル付近の歩道脇に生えている「ヒロハホウキギク(広葉箒菊)」。キク科シオン属の一年草で北アメリカ原産。草丈は60~80センチで大きいものは150センチにもなる。この多摩ニュータウン通り沿いでは点々と生えている。当地ではホウキギクが見ら…

ノササゲ・5~南高尾

高尾山は2007年にミシュランガイドで富士山と共に最高ランクの星3つを獲得したことから登山者が急増し何と年間300万人を超えるほどになっている。1年365日で単純計算すれば1日当たり8千人になるが、土日はおそらく3〜4万人にもなるだろう。ミシュラン星3つ取…

マルバフジバカマ・3~果実

キク科ヒヨドリバナ属の「マルバフジバカマ(丸葉藤袴)」。北アメリカ原産の多年草で日本には明治時代中期に渡来した。神奈川県箱根町の強羅公園に植栽されていたものが逸出して、その後、関東地方~東北地方に拡がっているが、何故か多摩ニュータウンでは…

ヤマホトトギス・2~果実

万松寺谷戸付近の野道で見掛けた「ヤマホトトギス(山杜鵑草)」の果実。ユリ科ホトトギス属の多年草で7~9月に茎先や葉腋に散房花序を出し上向きの花を数個付ける。果実は長さ2~3センチの蒴果で熟すと先端が3裂し種子を零す。同属のヤマジノホトトギスは花…

ヒノキ

ヒノキ科ヒノキ属の「ヒノキ(檜・桧)」。福島県以南に分布する常緑高木で日本固有種。樹高は20~30メートルで材には芳香があり高級建築材として日本各地に植林されている。花期は4月頃でスギ花粉が一段落するとヒノキの花粉が飛散する。果実は球果で直径1セ…

サワラ

ヒノキ科ヒノキ属の「サワラ(椹)」。本州~九州の山地に生育する常緑高木で樹高は20メートルを超えるほどになる。材質はヒノキより劣るが水に強く昔から風呂桶などに利用されていた。花期は4月頃で秋に稔る果実は直径6~7ミリ。葉の様子はヒノキとそっくり…

ヤマジノホトトギス・3~若い果実

ユリ科ホトトギス属の「ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)」。北海道~九州の山野に生える多年草で8~10月に茎先と葉腋に直径3~4センチの花を1~2個付ける。同属のヤマホトトギスは茎先と葉腋に散房花序を出して花を数個咲かせるので花序の形でも見分けら…

コウヤマキ・2~果実

コウヤマキ科(←スギ科)コウヤマキ属の「コウヤマキ(高野槇)」。東北地方南部県~九州地方に分布する常緑高木で1科1属1種。日本固有種で古墳時代にはこの材で棺が作られたという。花期は3~4月で球果は翌年の10~11月に熟して種子を飛ばす。つまり写真は…

コウヤマキ・1〜花芽

コウヤマキ科(←スギ科)コウヤマキ属の「コウヤマキ(高野槇・高野槙)」。和歌山県の高野山の多く生育する常緑高木で1科1属1種。昔は単に“マキ”とも呼ばれていた。しかしスギやヒノキもマキ(真木)と呼ばれることもあり更にイヌマキまでもマキと呼ばれるこ…

ヒマラヤスギ・15~樹形

マツ科ヒマラヤスギ属の「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。ヒマラヤ山脈やアフガニスタンなど標高1,000~4,000メートルの高地に自生する常緑高木で日本には明治時代に渡来した。増上寺の門前に植えられたものが最初の樹とされ、樹形が美しいので今では各地の…

ジョウシュウカモメヅル・6~種髪1

長池公園"ながいけの道”に生育している「ジョウシュウカモメヅル(上州鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属のつる性多年草で関東~近畿地方の山野に分布しており群馬県の榛名山で最初に発見されたことから"上州”の名が付けられている。果…

バクチノキ・4~若い果実

バラ科サクラ属の「バクチノキ(博打の木)」。関東以西に分布する常緑高木で絶えず古い樹皮が剥がれ落ちる様子を、博徒が負けて着ぐるみ剥がされた姿に見立てて名付けられている。秋に花序を出してウワミズザクラやイヌザクラのような花を咲かせ果実は春に…

カワラノギク・4~痩果

キク科シオン属の「カワラノギク(河原野菊)」。関東地方の限られた河川に生育する一稔性二年草で環境省レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。果実は痩果で長さ3ミリほど。冠毛も3ミリほどでやや赤み掛かっている。この種子は来年の春に発芽…

コシオガマ・9~熟果

小山内裏公園の林縁に出現した「コシオガマ(小塩竈)」。ハマウツボ科(←ゴマノハグサ科)コシオガマ属の半寄生一年草で陽当たりの良い草地に生育する。花期は9~10月で果実は長さ1センチほどの蒴果になる。果実は熟すと縦に裂開し中から長さ1ミリほどの褐…

ツルギキョウ・8~高尾山びわ滝コース

高尾山系の登山道脇で見られる「ツルギキョウ(蔓桔梗)」。キキョウ科ツルニンジン属(ツルギキョウ属)のつる性多年草で関東地方以西の山野に生育している。8~10月に直径1.5センチほどの下向きの花を咲かせ果実は晩秋に稔る。同属のツルニンジンやバアソ…

イワタバコ・8~果実

高尾山のびわ滝付近で見られる「イワタバコ(岩煙草)」。イワタバコ科イワタバコ属の多年草で福島県以南の湿った岩場などに生育している。6~8月に直径1.5センチほどの星形の花を咲かせる。果実は蒴果で長さ1~1.5センチの披針形。熟すと縦に裂開して長さ0.…

アキノハハコグサ・5~果実1

キク科ハハコグサ属の「アキノハハコグサ(秋の母子草)」。陽当たりの良い山野のやや乾いた場所に生育する一年草で草丈は40~60センチで9~10月に茎の先端に淡黄色の頭花を多数咲かせる。果実は冠毛のある痩果の集合果になる。冠毛は2~3ミリで痩果はわずか…

タイアザミ

下柚木の林縁に生えている「タイアザミ(大薊)」。関東地方の山野に分布する多年草で草丈は1~1.5メートル。葉身は10~20センチで羽状に深裂し裂片の先端は鋭いトゲ状になる。花期は9~11月で茎の上部にやや下向きや横向きの頭花を多数付ける。総苞には粘り…

ハダカホオズキ・7~液果

長沼公園"野猿の尾根道”に生育している「ハダカホオズキ(裸酸漿)」。ナス科ハダカホオズキ属の多年草で8~9月に直径1センチほどの淡黄色の下向きの花を咲かせ果実は晩秋に赤く熟す。同じナス科のホオズキは花後に萼片が成長して果実を覆うのに対して、本種…

ハナビラニカワタケ

"よこやまの道”の朽ち木に発生している「ハナビラニカワタケ(花弁膠茸)」。シロキクラゲ科シロキクラゲキクラゲ属のキノコで春~秋に広葉樹の倒木などで見られる。全体は花びら状の裂片が八重咲きの花のように見える。直径は10センチほどで全体にゼラチン…

ヒマラヤスギ・14~受粉

神代植物公園の遊歩道脇で低く枝を伸ばしている「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。マツ科ヒマラヤスギ属の常緑高木で花期は11月頃。写真は雌花序で長さ1ミリほどの"への字”形の鱗片の中に見える長さ0.2~0.3ミリの褐色の扇形のものが雌蕊だろう。先日、昭和記…

ツメレンゲ・5~若芽

ベンケイソウ科イワレンゲ属の「ツメレンゲ(爪蓮華)」。関東地方以西の陽当たりの良い岩場などに生育する多年草で、発芽してから3年目に花を咲かせその後枯死する。しかし微細な種子が散布されておりその周りには毎年新しい新芽が成長している。写真はおそ…

アケボノスギ・2~葉1

ヒノキ科(←スギ科)アケボノスギ属の「アケボノスギ(曙杉)」。古来の化石により日本を含む北半球に広く分布しその後絶滅したと考えられていたが、1946年に中国四川省で発見され現存しているのがわかった。樹形が美しく今では各地に植栽されている落葉高木…

ツメレンゲ・4~枯死

ベンケイソウ科イワレンゲ属の「ツメレンゲ(爪蓮華)」。乾燥した岩場などに生育する多肉植物。種子が発芽してから開花するまで3年程度掛かる。開花した株は果実を稔らせるとその後は枯死する一稔性の多年草。しかし株の周りには常に新芽が成長して密生して…